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物価高で家計が苦しい時の保険見直し優先順位

2026年5月4日 / 川端順也

リード:物価高の今、保険を「守りながら軽く」する

食料品も光熱費も上がり、毎月のやりくりがきつい。なのに保険料は自動で引き落とされ続け、「このままでいいのかな…」と不安になる方は多いです。特に20代〜40代の夫婦は、子どもが増える、住宅を買う、転職するなど、数年単位で家計の形が変わりやすい時期。保険が“昔の前提”のままだと、必要以上に払っていたり、逆に肝心な部分が足りていなかったりします。

この記事では、家計を守りつつ保険料を適正化するために、「どこから手を付けると失敗しにくいか」を優先順位で整理します。読み終える頃には、今すぐ削るべきムダと、残すべき保障、そして見直しの手順がはっきりします。

保険見直しの大原則:目的別に分けて考える

保険の見直しで混乱しやすい原因は、「全部まとめて良し悪しを判断しようとすること」です。まずは保険を目的で分けてください。

  • 万一のとき(死亡保障):遺された家族の生活費を補う
  • 病気・ケガ(医療保障):入院や手術、働けない期間の支出に備える
  • 働けない(就業不能):長引く療養で収入が減ったときの穴埋め
  • 老後・教育(貯蓄):保険より「貯め方」の問題になりやすい

物価高で家計が苦しいときは、保険を「投資」ではなく「家計の固定費」として点検し、必要な保障を残したまま軽くするのが基本です。

優先順位1:固定費のムダを止血する(掛け捨て中心に整える)

最初にやるべきは、家計を圧迫している“分かりやすいムダ”の止血です。ここは早いほど効果が出ます。

同じ保障の重複をなくす

医療保険と共済、会社の団体保険、クレジットカード付帯などで、似た保障が重なっていることがあります。重複しても入院日額が際限なく増えるわけではなく、実際の自己負担以上に増やしても家計を圧迫するだけになりがちです。

  • 入院日額が複数契約で積み上がっていないか
  • 死亡保障(定期・終身・収入保障)が複数に分散し過ぎていないか
  • 夫婦それぞれに似た保障を付けすぎていないか

「小さな特約」を整理する

保険料を押し上げやすいのが特約です。1つ1つは小さく見えても、積み上がると固定費になります。まずは「使う場面が想像できるか」で判断しましょう。

  • 先進医療:貯金で数十万円〜を出せるなら優先度は下がることも
  • 入院一時金:貯金が少ない時期は助けになるが、複数契約は注意
  • 通院特約:対象条件が細かいことがあるため、内容を要確認

死亡保障は「定期」か「収入保障」を軸にする

家計が厳しい時期に、死亡保障を終身保険中心で大きく持つと、保険料が重くなりやすいです。子育て期や住宅ローン期など、“必要な期間だけ大きく”が合理的なことが多く、定期保険や収入保障保険が相性が良い場合があります。

ポイントは、いきなり解約ではなく「必要額を計算してから減額・更新・乗り換えを検討する」こと。保障が薄くなりすぎると、節約したはずが不安で別の保険に入り直し、結果的に高くつくケースもあります。

優先順位2:貯蓄型・外貨建て・変額を「家計の負担」で点検する

次に点検したいのが、毎月の支払いが大きくなりがちな貯蓄型の保険です。代表例は終身保険、養老保険、学資保険、外貨建て保険、変額保険など。これらは「保障」と「積立」がセットになっているため、家計が苦しい局面では負担が見えにくい一方、見直し効果は大きいです。

“続けられるか”が最重要

貯蓄型は、途中でやめると受取額が払込総額を下回ることがあります(いわゆる元本割れ)。だからこそ、物価高の今は「この先も無理なく払えるか」を最優先で判断します。続けられない積立は、家計とメンタルを削ります。

見直しの選択肢は「解約」だけではない

貯蓄型を見直すときは、次の選択肢をセットで検討すると失敗が減ります。

  • 払込停止・減額:保障や積立を小さくして負担を下げる
  • 払済(今後の払込を止める):条件は商品によるため要確認
  • 一部解約・契約者貸付:緊急の資金繰りとして使える場合がある(利息・条件に注意)
  • 解約して家計を立て直す:家計が崩れる前に固定費を落とす判断も必要

外貨建てや変額は、為替や相場で受取額が変わります。つまり「保険料は固定費、受取は変動」という家計にとって読みにくい構造になりやすい点を理解しておきましょう。

優先順位3:必要保障額をライフプランで作り直す(夫婦・子ども有無別)

保険は「不安だから多めに」だと、ほぼ確実に払いすぎになります。ここで一度、必要保障額を作り直します。難しい計算ではなく、目安を押さえるだけで十分です。

死亡保障の目安:必要な生活費 − 見込める収入

万一のときに必要なのは、遺された家族の生活費、住居費、教育費など。一方で、遺族年金や配偶者の収入、貯金、(持ち家なら)団体信用生命保険で住宅ローンがなくなる可能性など、まかなえるものもあります。差し引きで不足する分が、死亡保障の目安です。

子ども予定・これから妊活の夫婦が意識したいこと

子どもがいない今は大きな死亡保障が不要でも、妊娠・出産後は必要額が増えます。ただし「今から大きくする」より、「妊娠前に加入できる医療保障を整え、死亡保障は必要になったタイミングで増やす」方が無理が少ないことが多いです。

共働き夫婦は“どちらかに偏りすぎ”を避ける

共働きの場合、片方の死亡保障だけが大きい、医療保障が片方だけ手厚い、といった偏りが起きがちです。家計への貢献(収入だけでなく家事・育児の代替コスト)も含めて、夫婦それぞれに最低限の保障を持たせると安心感が安定します。

優先順位4:公的保障と会社の制度を先に使う

民間保険は「公的保障の上乗せ」です。ここを理解すると、必要以上に保険料を払わずに済みます。

  • 高額療養費制度:医療費の自己負担に上限がある(所得で変わる)
  • 傷病手当金:会社員などは、病気やケガで働けない期間に収入の一部が出る
  • 遺族年金:家族構成により、一定の収入が見込める場合がある
  • 会社の団体保険・福利厚生:割安な保障があることも

特に見落としやすいのが「働けない期間の収入減」です。医療費より生活費の方が大きくなりやすいので、貯金が薄い家庭ほど、就業不能への備えを“保険か貯金か”で現実的に決めておくと、ムダな特約を減らせます。

やるべきこと:今日からできる見直し手順

見直しは手順がすべてです。勢いで解約すると後悔しやすいので、次の順番で進めてください。

  • 保険証券(またはアプリ)を全部集め、月額保険料と保障内容を一覧にする
  • 目的別(死亡・医療・就業不能・貯蓄)に分類する
  • 重複している保障、使う場面が薄い特約をチェックする
  • 貯蓄型は「あと何年払うか」「今やめるといくら戻るか」を確認する
  • 公的保障・会社制度を確認し、不足分だけ民間で補う
  • 削る前に「残す最低ライン」を決めてから、減額・解約・乗り換えを実行する

特に「いくら戻るか(解約返戻金)」や「今やめるデメリット」は、保険会社に電話すれば確認できます。迷ったら、解約ではなく減額から始めるのも良い方法です。

失敗しないチェックポイント

家計が苦しいときほど、判断を急いで失敗しやすいものです。次のポイントを押さえておくと、見直しの精度が上がります。

  • 解約前に、次の保険の加入可否(健康状態)を確認する
  • 保障の空白期間を作らない(解約と新契約のタイミングに注意)
  • 「今の家計」だけでなく、1〜3年以内の予定(出産・住宅・転職)を反映する
  • 保険料を下げた分の使い道を決める(生活防衛費、教育費、資産形成など)
  • 保険を減らしたのに貯金が増えない、が起きないよう仕組み化する

見直しで浮いたお金は、まず生活防衛費(急な出費に備える貯金)に回すのが安心です。投資より先に、家計の耐久力を上げるイメージです。

よくあるQ&A

Q1. 貯蓄型保険をやめたら元本割れしますか?

商品や加入年数によりますが、途中解約だと払った総額より戻りが少ないことは珍しくありません。ただし、元本割れが嫌で無理に払い続けて家計が崩れると、もっと大きな損失(借入、延滞、精神的負担)につながります。「いつまでなら払えるか」「減額や払込停止ができるか」を確認し、家計の安全を優先してください。

Q2. 保険の見直しは、いくらから始めるべきですか?

金額の大小より「固定費になっているか」で決めてOKです。月5,000円でも年間6万円。複数の保険があると、合計で家賃並みになっていることもあります。まずは全契約の月額合計を出し、家計に対して重いと感じたら見直しタイミングです。

Q3. 医療保険は必要ですか?貯金があれば不要?

貯金が十分にあり、数十万円〜の急な出費に耐えられるなら、医療保険を薄くする選択肢はあります。一方、貯金が少ない時期は「入院時の自己負担」よりも「働けない期間の生活費」が不安になりやすいので、医療に厚くし過ぎるより、生活費の穴をどう埋めるか(貯金・就業不能・家族サポート)をセットで考えるのがおすすめです。

Q4. 子どもができたら、保険はすぐ増やすべき?

基本は「必要になった分だけ増やす」で大丈夫です。出産直後は家計が読みにくいので、まずは生活防衛費を厚くし、死亡保障は収入保障などで必要期間だけ上乗せする形が合理的なことが多いです。学資目的は保険に限定せず、家計が落ち着いてから積立方法を選ぶと失敗が減ります。

Q5. 乗り換えの提案を受けました。注意点は?

保障が良く見えても、保険料が上がっていないか、更新型で将来上がる仕組みになっていないか、特約が増えて複雑になっていないかを確認しましょう。また、乗り換え前の解約返戻金や、現在の契約のメリット(予定利率が高い、健康状態の告知が不要な範囲など)を捨てることになる場合もあります。比較は「保障内容・保険料・将来の上がり方」の3点セットで行うのが安全です。

まとめ:最初の一歩は「証券を並べる」から

物価高で家計が苦しいときの保険見直しは、「不安を減らすために増やす」のではなく、「必要な保障を残して、ムダを落とす」ことが成功の近道です。優先順位は、(1)重複と特約の整理で固定費を止血、(2)貯蓄型の負担を点検、(3)ライフプランで必要保障額を作り直し、(4)公的保障を踏まえて不足分だけ上乗せ、の順番が安全です。

最初の一歩はシンプルに、保険証券(または契約一覧画面)を机に並べて、月額保険料の合計を書き出すこと。そこから目的別に分けるだけで、「削っていい部分」と「守るべき部分」が見え始めます。家計は、整えた人から楽になります。できる範囲で、一緒に軽くしていきましょう。

Written by

川端順也

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川端 順也
About 代表:川端 順也
Name 川端 順也
Role MDRT 7年連続入賞

妻と子供3人のパパFP。地域の皆様に最適なライフプランをご提案します。