安いには理由がある。通販型(ダイレクト型)保険のデメリットと向かない人
保険を調べ始めると、通販型(ダイレクト型)保険の保険料の安さに目が止まりますよね。「家計にやさしいなら助かる」と思う一方で、「安いってことは、いざというとき本当に大丈夫?」「将来、子どもができたり転職したりしたら、見直しが難しくならない?」と不安になるのも自然なことです。
この記事では、通販型保険が安い理由を整理した上で、見落としやすいデメリットと、向かない人の特徴をわかりやすく解説します。読み終えるころには、「自分たちの家庭に合う選び方」と「契約前に必ず確認すべきポイント」がはっきりし、後悔のない一歩を踏み出せるはずです。
通販型(ダイレクト型)保険とは?「安い」の仕組み
通販型(ダイレクト型)保険は、ネットや電話で申し込みから契約まで進める保険です。対面の担当者(営業職員や代理店)を介さないぶん、保険会社の販売コストを抑えやすく、結果として保険料が割安になりやすい特徴があります。
また、商品設計が比較的シンプルで、選べる項目が絞られているケースも多いです。シンプルさは分かりやすさにつながる一方、家庭ごとの事情に合わせた細かな調整がしづらい面もあります。
つまり通販型は、「同じ保障なら安くしやすい」仕組みを持つ反面、「自分で理解して選ぶ」ことが前提になりやすい保険だと捉えると、判断がぶれにくくなります。
安いには理由がある:通販型保険の主なデメリット
自分で考える量が多く、選び間違いが起きやすい
通販型は、説明を受けながら一緒に設計するというより、画面の案内に沿って自分で選択していく流れが基本です。そのため、「何が必要で、何が不要か」を整理できていないと、保障が足りなかったり、逆に盛りすぎてしまったりしやすいです。
特に起きがちなのが、「医療保険に手厚く入りすぎて、最優先の死亡保障(家族の生活費)がおろそかになる」「必要な期間より長く入ってしまい、保険料負担が重くなる」といったバランスの崩れです。
ライフプランが変わったときの“見直しの手間”が増える
結婚、出産、住宅購入、転職など、20代〜40代は生活が大きく変わりやすい時期です。保険もその都度、保障額や期間を見直すのが理想ですが、通販型は「自分で調べて判断する」割合が高くなります。
見直し自体はいつでもできますが、「どこをどう変えるべきか」が分からないままだと先延ばしになり、気づいたときには保障が現状に合っていない、ということが起こります。
商品がシンプルな分、細かな希望に合いにくいことがある
通販型の多くは、選べる特約や設計の自由度が対面型より少ない場合があります。もちろん「迷いにくい」というメリットでもありますが、家庭の事情により「この部分だけ手厚くしたい」「この期間だけ厚くしたい」といった要望が強い人ほど、かゆいところに手が届きにくく感じる可能性があります。
相談相手がいないと、不安が残りやすい
「保険は買ったあとも不安が続く」と感じる人は少なくありません。通販型は、困ったときに相談できる“担当者”がいない(または限定的)ことが多く、納得感がつくりにくい場合があります。
保険会社のコールセンターはありますが、一般的には「商品内容の案内」はできても、「あなたの家計全体の優先順位を一緒に決める」役割とは異なります。結果として、モヤモヤを抱えたまま契約してしまうことがあります。
更新型の場合、将来の保険料が上がって驚くことがある
保険には、一定期間ごとに保険料が見直されるタイプ(更新型)があります。通販型・対面型に限らず存在しますが、ネット申込みだと“今の保険料”だけに注目してしまい、将来の負担増を見落としやすい点は注意です。
「今は安いけど、10年後に家計がきつくなる」ことは避けたいところです。加入前に、更新後の保険料や、何歳まで更新されるのかを確認しておくと安心です。
通販型保険が向かない人・向いている人
向かない人:保険の優先順位を決めるのが苦手
「医療」「がん」「死亡」「就業不能」など、保険には種類が多く、優先順位が分からないままだと選びにくいです。特に夫婦で意見が分かれやすい家庭は、第三者の整理がないと決めきれず、結局“なんとなく”で契約して後悔につながります。
向かない人:近い将来、ライフイベントの予定が多い
これから子どもを考えている、住宅購入を検討している、転職の可能性があるなど、数年以内に家計が大きく動きそうな人は、保険も調整が必要になりやすいです。見直しのたびに迷ってしまうタイプなら、最初から相談しながら設計できる選択肢も検討すると良いでしょう。
向かない人:書類や約款を読むのが極端に苦手
通販型では、重要事項や注意点を自分で読み込む場面が多くなります。読むこと自体がストレスで、確認を飛ばしがちな人は、保障内容の勘違いが起きやすいです。
向いている人:必要な保障が明確で、シンプルに選びたい
一方で、必要な期間・必要な金額がある程度固まっている人には、通販型は相性が良いです。たとえば「子どもが独立するまでの一定期間だけ死亡保障を用意したい」「最低限の医療保障を安く持ちたい」など、目的がはっきりしていると、コストを抑えながら合理的に選べます。
やるべきこと:失敗しないためのチェックポイント
通販型を選ぶなら、「安さ」だけで決めず、次のポイントを先に押さえると失敗が減ります。
1. まずは家計の目的を3つに分ける
- 万一の生活費(死亡保障が中心)
- 入院や治療の自己負担(医療保障が中心)
- 働けない期間の生活費(就業不能など)
すべてを完璧に備えるのは大変です。夫婦の家計で「最優先はどれか」を決めるだけでも、選ぶべき保険が絞れます。
2. 保障は「いくら」より「いつまで必要か」を先に決める
子どもが欲しい家庭は特に、保障が必要な期間が変わりやすいです。目安としては、「家族の生活費が一番必要な時期はいつか」を起点に考えると整理しやすいです。
期間が決まると、保険料の比較もしやすくなり、「長く入りすぎて負担が重い」失敗を減らせます。
3. 更新型かどうか、更新後の保険料を確認する
- 何歳まで更新できるか
- 更新のたびに保険料が上がる仕組みか
- 更新後の保険料例が載っているか
ここを確認するだけで、「安いと思ったら将来高かった」を避けやすくなります。
4. 免責(支払われないケース)と待機期間をチェックする
保険は「こういうときに出ない」という条件が必ずあります。医療系の保障では、加入直後は対象外になる期間があったり、特定の病気は条件が付いたりすることがあります。細かい部分ですが、いざというときの納得感に直結するので、契約前に確認しておくと安心です。
5. 迷ったら「一度保留」にするルールを作る
通販型はその場で申し込みまで進めやすい反面、勢いで決めやすいです。少しでも不安が残るなら、スクリーンショットや見積もりを保存して一晩置き、夫婦で再確認するだけでも失敗が減ります。
よくあるQ&A
Q1. 通販型保険は元本割れしますか?
一般的な医療保険や死亡保険(掛け捨てタイプ)は、貯金のように増える商品ではないため、「元本」という考え方自体がなじみにくいです。支払った保険料より受け取る金額が少ない可能性はありますが、それは「使わなかった=大きな事故がなかった」という意味でもあります。
一方で、積立タイプや貯蓄性のある保険を検討している場合は、途中でやめると受け取れるお金が払込額を下回ることがあります。通販型・対面型に関係なく、「途中解約した場合にどうなるか」を必ず確認しましょう。
Q2. いくらから始めるべきですか?
保険料は「いくらが正解」と一律ではありません。目安としては、家計を圧迫しない範囲で、最優先のリスクから小さく始めるのがおすすめです。特にこれから子どもを考える夫婦は、出産・育休などで収入が一時的に変動することもあるため、固定費を上げすぎない設計が安心です。
迷う場合は、「最低限の保障でスタートして、ライフイベントのタイミングで増やす」という考え方が現実的です。
Q3. 通販型でも見直しは簡単にできますか?
手続き自体はオンラインでできることが多く、変更や解約はしやすい傾向があります。ただし、「何をどう変えるべきか」の判断は別問題です。見直しのたびに迷いそうなら、家計全体を一緒に整理してくれる相談先(FP相談など)を併用するのも一つの方法です。
Q4. 夫婦で入るなら、どこを重視すべき?
優先順位を付けるなら、まずは「どちらかに万一があったとき、生活が回るか」を確認するのが基本です。共働きか片働きか、貯金の厚み、住宅費の負担で必要な備えは変わります。医療保障は“ゼロにしない程度”にして、家計の土台が崩れるリスクから考えると整理しやすいです。
Q5. 通販型は事故対応や支払いが遅いイメージがあります
「通販型だから遅い」とは一概に言えません。大切なのは、給付金請求の方法(アプリ、郵送、必要書類)や、問い合わせ窓口のつながりやすさ、評判の確認です。不安が強い人は、請求手続きの流れを契約前に一度見ておくと安心につながります。
まとめ:今日できる「最初の一歩」
通販型(ダイレクト型)保険は、同じ保障でも保険料を抑えやすい一方で、「自分で理解して選ぶ」ことが前提になりやすく、ライフプランが変わりやすい夫婦ほど迷いが増える面があります。安さは魅力ですが、安いには理由があり、合わない人にはストレスになりやすいのも事実です。
最初の一歩としておすすめなのは、いきなり商品比較を始めるのではなく、夫婦で次の2つだけ話すことです。
- もしものとき、一番困るのは「生活費」「医療費」「働けない期間」のどれか
- 保障が一番必要なのは「いつまで」か(今後の出産・住宅・転職も含めて)
この2つが言語化できると、通販型を選ぶにしても、別の選び方にするにしても、判断がぐっとラクになります。焦らなくて大丈夫です。家計と将来の安心を守るために、まずは「自分たちに必要な保障の軸」を一緒に作るところから始めていきましょう。
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