住宅ローンを組んだら生命保険を見直すべき理由。団信との重複をチェック!
住宅ローンを組むと、「これで家は手に入ったけど、もしもの時に家族は大丈夫かな」「保険ってこのままでいいの?」と不安になる方が多いです。特に20代〜40代は、今は共働きでも、出産や転職、働き方の変化で家計が大きく動きやすい時期。将来が読みにくいからこそ、備えを“今の生活に合う形”へ整えることが安心につながります。
実は、住宅ローンを組んだタイミングは生命保険を見直す絶好の機会です。理由はシンプルで、多くの方が加入する「団信(団体信用生命保険)」によって、生命保険の保障内容と重複が起きやすいから。重複したままだと、必要以上の保険料を払い続けてしまうこともあります。
この記事では、団信でカバーできる範囲、生命保険で残すべき保障、そして見直しの具体的なチェックポイントをわかりやすく整理します。読み終えた頃には、「何を減らして、何を残すか」の判断軸が持てるはずです。
住宅ローンを組んだら、なぜ生命保険を見直すべき?
住宅ローンを契約すると、多くの場合「団信」に加入します。団信は、ローンを借りている人に万一のこと(死亡・高度障害など)があったとき、残りの住宅ローンが返済される仕組みです。
ここが重要で、団信に入ることで「家(住まい)に関する大きな負担」はかなり軽くなります。つまり、従来は生命保険でカバーしていた「住宅ローン分の保障」を、団信が肩代わりしてくれるケースが多いのです。
ところが、生命保険は一度入ると見直しのきっかけが少なく、住宅ローン前に設計した保障額のまま継続しがちです。その結果、団信と生命保険の保障が重なって、家計の固定費(保険料)が必要以上に膨らむことがあります。
「保険料の固定費化」が家計をじわじわ圧迫する
保険は安心を買うものですが、安心の買い方が“過剰”だと、毎月の可処分所得を削ってしまいます。特に住宅ローンは返済が長期にわたり、教育費や車、老後資金などの優先順位もこれから変化します。
今後、子どもが欲しい、働き方が変わるかもしれない、転職や独立の可能性がある。そうした変化に対応できる家計にしておくためにも、「団信で足りるところは保険で重ねない」ことが大切です。
見直し=削ることではなく「必要な保障を最適化する」こと
見直しというと「解約して節約する話」と思われがちですが、実際は逆です。団信で住まいの負担が消えるなら、その分、生活費・教育費・当面の貯蓄など“本当に困る部分”に保障を振り向ける方が合理的です。
団信(団体信用生命保険)で「足りること/足りないこと」
まずは団信の守備範囲を把握しましょう。団信の内容は金融機関やローン商品によって異なりますが、基本の考え方は共通しています。
団信でカバーできること:住宅ローンの返済
一般的な団信では、ローン契約者が死亡した場合や高度障害状態になった場合に、残りの住宅ローンが完済されます。これにより、遺された家族は「住む家を失うリスク」や「返済を続けられない不安」から大きく解放されます。
団信で足りないこと:生活費・教育費・葬儀費用など
団信はあくまで「住宅ローン」に対する保険です。ローンは消えても、生活そのものは続きます。例えば次のような費用は別途必要です。
- 当面の生活費(家計が落ち着くまでの数年分)
- 子どもの教育費(進学プランにより大きく変動)
- 配偶者の働き方が変わる場合の補填
- 葬儀費用・引っ越しや家の修繕などの臨時費用
つまり、団信があるからといって生命保険が不要になるわけではありません。「住宅ローン分は団信で確保できた」という前提で、生命保険は“それ以外”をどう備えるかに役割が変わります。
がん団信・三大疾病団信など「上乗せ型」は要確認
最近は、がんや三大疾病、就業不能などに備える団信の上乗せプランも増えています。これらに加入している場合、医療保険や就業不能保険と目的が重なりやすくなります。
ただし、上乗せ団信は「条件(どんな状態で対象になるか)」が細かいことも多いため、パンフレットや契約内容を確認し、同じリスクに二重で支払っていないかチェックしましょう。
見直しの基本:重複を減らし、必要な保障は残す
ここからは実際に、どこが重複しやすいのか、どう考えると失敗しにくいのかを整理します。
重複しやすいのは「死亡保障(大きな保険金)」
住宅ローン前は、「万一のときに家のローンが残る」ことを想定して死亡保障を大きめにしている方が多いです。しかし団信があれば、ローン部分は別枠で確保されています。
そのため、生命保険の死亡保障は、ざっくり言えば「ローン以外に必要なお金」に合わせて再計算するのが基本です。具体的には、生活費、教育費、手元資金(貯蓄)や遺族年金などを踏まえて、過不足を調整します。
「必要保障額」は家庭ごとに違う。大切なのは考え方
保障額の正解は一つではありません。ただ、考える順番を決めると判断しやすくなります。
- 団信で住宅ローンが消える前提で、住居費の不安は一段下がる
- 残るのは生活費・教育費・臨時費用
- 貯蓄・配偶者の収入見込み・公的保障(遺族年金など)で埋められる分を差し引く
- 不足分を生命保険で補う
この流れで見直すと、「なんとなく不安だから大きく加入する」から抜け出しやすくなります。
子どもがいない夫婦でも見直しは価値がある
「子どもがいないから生命保険は少なくていい」と一概には言えません。例えば、どちらかが働けなくなると家計が急に厳しくなる共働き家庭もありますし、将来子どもを考えているなら、今後保障を増やす可能性もあります。
大切なのは、今の家計と将来の選択肢を守るバランスです。団信で大きなリスク(ローン返済)が軽くなる分、保険にかけるお金を貯蓄や投資、生活防衛資金へ回すことも現実的な選択肢になります。
やるべきこと・失敗しないチェックポイント
1. 団信の保障内容を「書面で」確認する
まずはここからです。金利に含まれている基本団信なのか、上乗せの疾病保障が付いているのかで、必要な保険が変わります。
- 保障対象:死亡のみか、高度障害もか、疾病保障もか
- 疾病保障の条件:診断確定か、就業不能の期間条件があるか
- 返済免除の範囲:残高全額か、一部か
2. 生命保険は「目的別」に分けて棚卸しする
保険証券やアプリで契約を確認し、次のように目的で分類します。
- 死亡保障(定期保険、収入保障など)
- 医療保障(入院・手術)
- がん保障
- 働けなくなったときの保障(就業不能など)
- 貯蓄性のある保険(学資、終身、外貨建て等)
この分類ができると、「団信と重なるのはどれか」「本当に必要な役割は何か」が見えやすくなります。
3. 「死亡保障=住宅ローン分」を入れっぱなしにしない
見直しで一番多いムダはここです。団信でローンが消えるなら、死亡保障は生活費や教育費中心に再設計しましょう。
特に、子どもが小さい期間だけ手厚くしたい場合は、一定期間だけ保障が大きいタイプ(収入保障など)を検討すると、保険料の効率が上がることがあります。
4. 解約は焦らず「保障の空白」を作らない
新しい保険へ切り替える場合、先に解約してしまうと、万一の際に保障がない期間が生まれる可能性があります。また、健康状態によっては入り直せないこともあります。
- 原則として「新しい契約が成立してから」見直し(解約・減額)をする
- 健康状態や通院歴がある場合は、事前に慎重に検討する
5. 浮いた保険料の使い道を決める(ここが安心につながる)
見直しで保険料が下がったら、そのお金の行き先を決めておくと効果がはっきりします。
- 生活防衛資金(まずは生活費の数か月分)
- 教育費の積立(将来の選択肢を増やす)
- 老後資金の準備(長期の積立)
「保険で守る」「貯蓄で備える」を整理すると、将来の変化にも対応しやすくなります。
よくあるQ&A
Q1. 団信があるなら、生命保険(死亡保障)はゼロでもいい?
家族構成と家計次第です。団信で住宅ローンは消えても、生活費や教育費は別に必要です。特に、片働きに近い状況になる可能性がある家庭や、子どもを予定している家庭は、一定の死亡保障を残すと安心です。一方で、共働きで貯蓄も十分、扶養家族もいない場合は、死亡保障を小さくできることもあります。
Q2. 「元本割れ」が心配です。保険で貯蓄するのは危ない?
元本割れの可能性がある保険は確かにあります。特に、短期間で解約すると戻りが少ないタイプや、外貨建てで為替の影響を受けるタイプは注意が必要です。
大切なのは、保険を「保障」と「貯蓄」に分けて考えることです。万一の保障は保険で、将来の資産づくりは積立など別の手段も含めて比較すると、納得感のある設計になりやすいです。
Q3. いくらから始めるべき?(見直しにお金はかかる?)
見直し作業自体は、基本的に手元の書類確認から始められるので追加費用はほとんどかかりません。必要なのは「現状把握の時間」です。新たに保険へ加入する場合は保険料が発生しますが、団信との重複を減らすことで、全体の支払いが下がるケースも多いです。
Q4. 医療保険やがん保険も、団信があるなら不要?
上乗せ団信に疾病保障が付いている場合でも、カバー範囲や条件は商品によって差があります。医療保険やがん保険は「治療費や入院・通院の負担」を目的にすることが多く、団信は「ローン返済」を目的にしています。目的が違うため、完全に代替できるとは限りません。重複の有無は、保障の条件を並べて確認するのが確実です。
Q5. 見直すなら、住宅ローン契約のいつがベスト?
タイミングとしては「団信の内容が確定した後」が理想です。引き渡し前後で慌ただしい時期でもあるため、まずは団信の保障内容を把握し、次に生命保険の棚卸し、最後に必要保障の再設計、という順で進めるとスムーズです。
まとめ:今日できる最初の一歩
住宅ローンを組むと団信により、万一のときの「住宅ローン返済」という大きな不安が軽くなります。だからこそ、生命保険は加入しっぱなしにせず、団信と重複していないかを確認する価値があります。
見直しのポイントは、「削る」ではなく「必要な保障は残して、ムダな重複を減らす」こと。浮いた保険料を、生活防衛資金や将来の積立へ回せれば、ライフプランの変化にも強い家計になります。
最初の一歩は難しくありません。今日やるなら、次のどれか一つで十分です。
- 団信のパンフレットや契約内容を手元で確認する
- 加入中の生命保険を目的別に書き出してみる
- 「住宅ローン分の死亡保障」が残っていないかチェックする
完璧に決めようとしなくて大丈夫です。現状を見える化するだけで、不安はぐっと整理されます。必要なら、家計と保障のバランスを第三者に確認してもらいながら、無理のない形に整えていきましょう。
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