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空き家を持っている人が入るべき保険とは

2026年4月23日 / 川端順也

「親から実家を相続したけれど、今は誰も住んでいない」「将来住むかもしれないし、売るか貸すかもまだ決めきれない」——空き家を持つと、こうした迷いと一緒に“見えない不安”が増えがちです。火事や台風などの自然災害はもちろん、空き巣・放火・水漏れ、そしていちばん気になるのが“もし誰かにケガをさせたらどうしよう”という賠償のリスク。

特に20代〜40代のご夫婦は、これから子どもが増える、転職や転勤がある、住み替えの可能性もあるなど、ライフプランが動きやすい時期です。今の判断が将来の家計を守ることにつながるからこそ、空き家の保険は「何に入るか」だけでなく「どこまで備えるか」を整理して選ぶことが大切です。

この記事では、空き家を持っている人が検討すべき保険をわかりやすく整理し、優先順位、チェックポイント、よくある疑問までまとめます。読み終わるころには「自分の家の場合、まず何を確認して、どの保険をどう組み立てればいいか」がスッキリ見えるはずです。

空き家に「保険が必要な理由」とよくある誤解

空き家は、住んでいる家よりもトラブルに気づくのが遅れやすいのが特徴です。たとえば雨漏りや配管の破損は、発見が遅いほど被害が広がります。また、留守だと分かる家は侵入や放火などの標的になりやすい面もあります。

さらに見落とされがちなのが「建物のせいで、他人に損害を与えるリスク」です。外壁や瓦が落ちて通行人にケガをさせたり、敷地の樹木が倒れて隣家を壊したり、積雪でカーポートが崩れて被害が出たり。こうした賠償は、貯金で払うには金額が大きくなりやすく、家計に長く影響します。

誤解1:火災保険は「住んでいる家」だけのもの

火災保険は、空き家でも加入できる(または加入し直す必要がある)ケースがあります。ただし、保険会社によって「空き家の扱い」や条件が異なり、住居用のままでは実態と合わず、いざというときに支払対象外になるリスクもあります。現状(誰も住んでいない、将来貸す予定、別荘扱いなど)に合わせて契約を整えることが重要です。

誤解2:保険より先に、売るか貸すか決めないといけない

結論から言うと、決まっていなくても備えはできます。むしろ「方向性が決まるまでの期間」こそ事故が起きやすいこともあります。保険は、空き家期間の“つなぎ”としても機能します。

空き家を持っている人が検討したい保険の全体像

空き家の保険は、大きく分けると「建物や家財の損害をカバーするもの」と「他人への賠償に備えるもの」の2つです。空き家の場合、家財はほとんど置いていないことも多いため、重点は建物と賠償になりやすいです。

1)火災保険(建物の修理費の備え)

火事だけでなく、落雷、風災(台風など)、雪災、破裂・爆発などを幅広くカバーするのが火災保険です。プランによっては水濡れ(給排水管の事故など)や盗難被害も対象になります。空き家は点検頻度が低く、被害が大きくなりやすいため、「どの補償を付けるか」を現実に合わせて選ぶのがコツです。

2)地震保険(地震・噴火・津波に備える)

地震による火災や倒壊は、基本的に火災保険だけではカバーできません。地震・噴火・津波による損害に備えるなら地震保険をセットで考えます。地域によってリスクの濃淡があるため、ハザードマップや過去の災害履歴も参考になります。

3)個人賠償責任保険(他人に損害を与えたときの備え)

空き家で怖いのは、建物の不具合や敷地の管理不足が原因で第三者に被害が出るケースです。たとえば瓦が落ちた、ブロック塀が倒れた、雑草で見通しが悪くなり事故につながったなど。こうした賠償は高額化しやすいため、個人賠償責任保険の有無は早めに確認したいポイントです。

なお、個人賠償は自動車保険や火災保険、クレジットカードの付帯などで“すでに入っている”こともあります。重複しやすいので、加入状況の棚卸しが大切です。

4)施設賠償責任(貸し出し・事業利用に近い場合)

将来「賃貸に出す」「民泊として運用する」「店舗として貸す」など、住居ではなく“施設”として扱われる色合いが強くなると、必要な補償の考え方が変わります。ここを住居用のままにしてしまうと、事故時に困る可能性があります。予定が固まった段階で、契約形態の見直しが必要です。

目的別:入るべき保険(優先順位つき)

「結局、何に入ればいいの?」という方のために、優先順位で整理します。前提として、保険は“全部盛り”が正解ではありません。空き家の状態(築年数、立地、管理状況、今後の方針)に合わせて、必要なところにしっかり備えるのが家計に優しい選び方です。

優先度A:火災保険(建物)+個人賠償の有無確認

まずはここです。空き家の損害は修理費がまとまって出やすく、さらに賠償事故は家計へのダメージが大きくなりがちです。

  • 火災保険は「空き家としての実態」に合う契約になっているか確認する
  • 個人賠償責任保険が、どこか(自動車保険など)で付いているか確認する
  • 付いていなければ、火災保険や自動車保険の特約で追加を検討する

優先度B:地震保険(地域リスクが高いなら特に)

地震の多い地域、古い木造住宅、密集地などは検討優先度が上がります。地震保険は「火災保険のオプション」として加入する形が一般的なので、火災保険の見直しタイミングで一緒に考えるとスムーズです。

優先度C:盗難・水濡れなど、空き家の使い方次第で追加

空き家に家財や設備が残っている、定期的に人が出入りする、庭木や外構がしっかりあるなどの場合、盗難や水濡れ等のリスクが現実的になります。反対に、家財がほぼなく、設備も止めているなら優先度は下がります。

「将来住むかも」なら、いまは“守りの最小構成”でOK

今後の方針が未定の段階では、過剰な補償で保険料を膨らませるより、「建物の損害」と「賠償」を軸に、必要な範囲を押さえるのが合理的です。方針が決まったら、貸す・売る・住むのいずれでも、そこで改めて最適化できます。

やるべきこと・失敗しないチェックポイント

1)まず「契約内容が空き家に合っているか」を確認

最優先はここです。住んでいないのに住居用の条件のまま、逆に空き家なのに適切な申告ができていないなど、実態と契約がズレるとトラブルになりやすいです。保険証券や契約画面で、対象物件の用途・居住状況を確認し、必要なら保険会社や代理店に相談しましょう。

2)補償の「対象」は建物だけでいいか、家財も要るか

空き家に家財がほとんどないなら、家財補償は薄くする・外す選択肢もあります。一方で、空調、給湯器、キッチンなど設備が残っている場合、どこまでを建物としてカバーできるかも確認しておくと安心です。

3)免責金額(自己負担)を決めて保険料を調整

小さな修理まで保険で賄う設計にすると、保険料が上がりやすくなります。「小さな損害は貯金で、まとまった損害に保険」という考え方で、自己負担額を設定するのも現実的です。

4)個人賠償の重複加入を避ける

個人賠償は便利ですが、家族で複数契約していることが多い分、重複しがちです。確認すべきは次の通りです。

  • 自動車保険に個人賠償特約が付いていないか
  • 火災保険に個人賠償が付いていないか
  • 家族の誰の契約で家族全員が対象になるか

5)保険だけでなく、管理の最低ラインも整える

保険は万能ではありません。事故を防ぐことが最も安上がりで確実です。月1回の巡回が難しければ、見回りサービスや近隣の親族の協力など、現実的な手段を決めておくと安心感が増します。

よくあるQ&A

Q1. 空き家の保険って、元本割れはありますか?

いわゆる「元本割れ」は、積立型の商品(投資や貯蓄性のある保険)でよく出る言葉です。一方、空き家向けに検討する中心は火災保険や賠償責任保険などの“掛け捨て型”が基本で、そもそも貯める商品ではありません。支払った保険料が戻らないことはありますが、その代わりに大きな損害が起きたときの家計ダメージを抑える役割があります。

Q2. いくらから始めるべきですか?

保険料は建物の構造、所在地、補償範囲、自己負担額などで大きく変わるため一概には言えません。ただ、発想としては「まず賠償の穴を塞ぐ」「次に建物の大損害に備える」の順が失敗しにくいです。すでに自動車保険などで個人賠償が付いているなら、その分を二重に払わない設計にすると、無理のない金額に収まりやすくなります。

Q3. 空き家だと火災保険に入れないことはありますか?

物件の状態や管理状況によって、引き受け条件が厳しくなったり、補償範囲が限定されたり、場合によっては加入が難しいこともあります。ポイントは「空き家であることを正しく伝えたうえで」相談することです。ここを曖昧にすると、いざというときに困る原因になります。

Q4. これから賃貸に出す予定ですが、今のままで大丈夫?

賃貸として貸し出すと、入居者がいる状態での事故対応や責任関係が変わります。貸すことが具体化したら、保険会社へ用途変更を伝え、賃貸向けの補償(施設としての賠償など)を含めて組み直すのがおすすめです。

Q5. 築古で修理費が高そうです。保険金額はどう決める?

目安は「同じ規模の建物を建て直す・復旧するのに必要な費用」とのバランスです。安くしすぎると、損害時に足りないリスクがあります。逆に盛りすぎると保険料が無駄になりやすいです。建物の評価や補償の上限は、契約時に確認し、迷う場合は複数案で見積もりを取り比較すると納得しやすいです。

まとめ:今日できる最初の一歩

空き家の保険選びは、「何となく不安だから全部入る」よりも、「起こりやすい損害」と「起きたら致命的な損害」を分けて考えるほど、家計にやさしく、安心感も高くなります。特に優先したいのは、建物の損害に備える火災保険と、第三者への賠償に備える個人賠償の確認です。地震リスクが高い地域なら地震保険もセットで検討しましょう。

最初の一歩は、難しい手続きではありません。次の順番で進めるのが現実的です。

  • 空き家の現状(誰も住んでいない、今後の予定)をメモする
  • 保険証券を出して、用途・居住状況・補償内容を確認する
  • 個人賠償がどこかの契約に付いているか家族分まで棚卸しする
  • 不足があれば、空き家であることを伝えて見積もりを取る

ライフプランが変わりやすい時期だからこそ、「決めきれない今」を守る設計にしておくと、将来の選択(住む・貸す・売る)がどれでも取りやすくなります。保険は不安をゼロにするものではありませんが、最悪の出費を避けるための“家計の安全装置”になります。できるところから、一つずつ整えていきましょう。

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川端順也

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About 代表:川端 順也
Name 川端 順也
Role MDRT 7年連続入賞

妻と子供3人のパパFP。地域の皆様に最適なライフプランをご提案します。