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保険に入る前に必ずやるべき家計の棚卸し方法

2026年2月9日 / 川端順也

この記事でわかること

保険に入る前に「何を、どの順番で」確認すればムダなく安心を作れるのかを、家計の棚卸しという形で整理します。保険商品そのものの比較より先に、家計の現状・これからの予定・不足している備えを見える化することで、必要な保障だけを適正な金額で選べるようになります。

リード文:保険の前に「家計の棚卸し」が必要な理由

結婚、転職、家を買うかどうか、子どもを持つタイミング。20代〜40代はライフプランが動きやすく、「今のままで大丈夫かな」と不安になりやすい時期です。そんなとき、まず保険に入って安心したくなる気持ちは自然なことだと思います。

ただ、保険は「不安を消すため」ではなく、「起きたら困る出来事に備えるため」の道具です。家計の状況を確認しないまま加入すると、保障が過剰で保険料が家計を圧迫したり、逆に必要な備えが足りなかったりします。

この記事では、保険を検討する前に必ずやっておきたい家計の棚卸し方法を、難しい言葉を使わずに解説します。読み終わる頃には、自分たちに必要な保障の目安と、ムリなく続けられる保険料の上限が見えてきます。

家計の棚卸しとは?保険選びがラクになる土台作り

家計の棚卸しとは、収入と支出、貯蓄、借入、そして将来の予定を一度整理して、「今の家計の体力」を把握する作業です。目的は節約だけではありません。保険で備えるべきリスクと、貯蓄でまかなえる範囲を切り分けるために行います。

保険で備えるべきこと/貯蓄で備えられること

目安として、発生頻度は低いけれど金額が大きくなりやすい出来事(万一の死亡、長期の就業不能、重い病気など)は保険で備えると合理的です。一方で、頻度が高く金額が小さめのもの(軽いケガの通院、家電の故障のような出費)は、貯蓄で備えたほうが家計全体としてムダが少なくなりやすいです。

「なんとなく不安」を「数字の安心」に変える

棚卸しをすると、「毎月いくらまでなら保険料を払っても生活が崩れないか」「もし入院しても自己負担はいくらくらいか」「何かあったときに、いつまで・いくら必要か」が見えてきます。数字がわかると、保険の選択が驚くほどシンプルになります。

ステップで解説:保険に入る前の家計棚卸し方法

ステップ1:家計の「毎月の流れ」を1枚にまとめる

まずは過去3か月分の家計を見て、平均的な毎月の収入と支出を把握します。家計簿アプリでも、銀行・クレジット明細でも構いません。

ここで大事なのは、細かい分類より「固定費」と「変動費」を分けることです。固定費は家賃・住宅ローン、通信費、サブスク、保育料、車の維持費、そして保険料も含みます。変動費は食費、日用品、交際費、娯楽費などです。

この作業で確認したいのは、毎月いくら余っているか(=貯蓄に回せるお金)です。保険料は固定費なので、ここを見誤ると後から見直しが必要になります。

ステップ2:生活防衛資金(緊急用のお金)を確認する

保険の前に、まずは「何かあっても家計が止まらないお金」を確保します。目安は、生活費の3〜6か月分です。共働きで収入が安定している家庭なら3か月寄り、片働きや自営業、転職の可能性があるなら6か月寄りが安心です。

生活防衛資金は、増やすことより「すぐ使える場所」に置くことが大切です。普通預金など、必要なときに確実に引き出せる形を基本にしましょう。

ステップ3:大きなライフイベントを書き出す(子ども・住まい・働き方)

次に、今後5〜10年で起こりそうな変化を言語化します。完璧な計画でなくて大丈夫です。「可能性」を書くだけでも保険の設計がぶれにくくなります。

  • 子どもが欲しい(いつ頃、何人くらい想定か)
  • 住宅購入を検討(賃貸継続か、購入なら時期はいつ頃か)
  • 働き方の変化(育休、時短、転職、独立の可能性)
  • 親の介護の可能性(距離、支援の必要性)

特に、子どもを考えている家庭は、出産前後で収入と支出が動きやすいです。保険は長く続けるものなので、「この先の数年」を見ておくことが重要です。

ステップ4:公的制度でカバーされる範囲を知る(ここが保険料を下げるコツ)

日本は、医療費の自己負担が一定額を超えたときに負担が軽くなる仕組み(高額療養費制度)があります。また、会社員なら病気やケガで働けない期間に一定の給付が出る仕組み(傷病手当金)もあります。

制度の詳細は収入や加入制度で変わりますが、「全部を保険で埋めなくていい」ことを知るだけでも、過剰な保障を避けやすくなります。まずは自分たちが会社員か自営業か、健康保険の種類、月収の目安を確認しておくと整理が進みます。

ステップ5:「起きたら困ること」を優先順位で並べ、必要保障をざっくり算出

最後に、保険で備えるべきリスクを整理します。ポイントは、起きたときの家計へのダメージが大きい順に考えることです。

  • 死亡:残された家族の生活費、家賃・住宅ローン、教育費がどうなるか
  • 働けない:収入が止まったとき、何か月耐えられるか
  • 医療:入院・手術での自己負担、差額ベッド代などの可能性
  • 老後:これは保険より、積立や資産形成とセットで考える

ここで、棚卸しした「毎月いくらまで固定費を増やせるか」と照らし合わせます。目安として、保険料は手取りの5%以内に収めると、家計が崩れにくいケースが多いです(住宅ローンや教育費の状況により調整は必要です)。

やるべきことリスト:失敗しないチェックポイント

棚卸しを「やったつもり」で終わらせないために、実行項目と注意点をまとめます。

やるべきこと(この順番がおすすめ)

  • 直近3か月の収入・支出を集計し、毎月の黒字額を出す
  • 生活防衛資金(3〜6か月分)があるか確認する
  • 今後5〜10年のライフイベントを箇条書きにする
  • 会社員か自営業かを前提に、公的制度でのカバーを把握する
  • 必要保障(死亡・就業不能・医療)の優先順位を決める
  • 保険料の上限(手取りの5%目安)を先に決めてから商品を見る

よくある失敗と回避策

  • 保障を盛りすぎる:不安が強いときほど「必要額」より「安心感」で選びがちです。まずは公的制度と貯蓄で埋まる部分を引き算しましょう。
  • 貯蓄が少ないのに貯蓄型保険を優先する:途中解約の可能性がある時期は、現金の自由度が大切です。生活防衛資金が整ってから検討すると安心です。
  • 夫婦でゴールがズレたまま決める:片方は死亡保障重視、もう片方は医療重視などズレが起きます。「一番困るのは何か」を一度だけ話し合うだけでも改善します。
  • 見直しのタイミングを決めていない:ライフプランが変わる時期(出産、住宅購入、転職)に見直す前提で設計しましょう。

よくあるQ&A(元本割れ・いくらから・見直し頻度など)

Q1. 貯蓄型の保険は元本割れしますか?

します。特に加入してすぐの解約や、短い期間での解約は元本割れしやすいです。貯蓄型は「長く続ける」前提の設計なので、数年以内に住宅購入や出産で家計が変わる可能性があるなら、まずは現金の備えと掛け捨ての必要保障を優先したほうが安心です。

Q2. 保険はいくらから始めるべきですか?

「いくらから」というより、「家計が続く範囲で、優先順位の高いものから」が正解です。目安として、保険料の合計を手取りの5%以内に置くと無理が出にくいです。まずは死亡保障や就業不能など、起きたときのダメージが大きいものを優先し、医療は必要最低限から始めて後で調整する方法もあります。

Q3. 子どもがいない夫婦でも保険は必要ですか?

必要性はありますが、形が変わります。たとえば死亡保障は大きくなくても、働けなくなったときの生活費や、入院時の自己負担をどうするかは検討の価値があります。逆に、扶養家族がいないうちは大きな死亡保障を持ちすぎないほうが家計の自由度を保てます。

Q4. 医療保険は入っておいたほうが安心ですか?

安心材料にはなります。ただし、公的制度で自己負担が抑えられるため、「入院したらいくら必要になりそうか」を棚卸ししてから決めるのがおすすめです。貯蓄が十分ある家庭は最低限でも良いですし、貯蓄が少ない家庭は小さめでも医療保障を持つことで家計のブレを抑えられます。

Q5. 見直しはどれくらいの頻度でやるべきですか?

毎年の細かい見直しより、「家計が動くタイミング」で十分です。具体的には、結婚、妊娠・出産、住宅購入、転職、独立、子どもの進学などです。加えて、年1回だけ「保険料が家計を圧迫していないか」「保障が今の生活に合っているか」を確認すると安心です。

まとめ:今日できる最初の一歩

保険選びで迷ったときは、商品比較より先に家計の棚卸しをすると、必要な保障と適正な保険料が見えてきます。ポイントは、毎月の黒字額、生活防衛資金、ライフイベント、公的制度の4つを押さえたうえで、起きたら困ることから優先順位を付けることです。

最初の一歩として、今日やるなら「直近3か月の支出を集計して、毎月いくら余っているか」を出してみてください。その数字が出た時点で、保険に使える上限が決まり、ムダな不安に振り回されにくくなります。もし夫婦で進めるなら、同じ画面を見ながら10分だけでも話してみると、次の行動が驚くほどスムーズになります。

Written by

川端順也

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About 代表:川端 順也
Name 川端 順也
Role MDRT 7年連続入賞

妻と子供3人のパパFP。地域の皆様に最適なライフプランをご提案します。