「貯蓄型」vs「掛け捨て+投資」。20年後の資産額をシミュレーション比較!
結婚、住まい、転職、そして「子どもを持つかどうか」。20代〜40代の夫婦にとって、未来は楽しみな反面、正解が見えにくくて不安もつきものです。そんなときに悩みやすいのが、保険を「貯蓄型」にするか、それとも「掛け捨てにして浮いた分を投資に回すか」という選択です。
この記事では、よくあるイメージや感覚論ではなく、「20年後に手元に残るお金」に焦点を当ててシミュレーションで比較します。あわせて、ライフプランが変わっても後悔しにくい考え方、始めるときのチェックポイントも整理します。読み終える頃には、自分たち夫婦に合う方針が見え、次の一手が打ちやすくなるはずです。
「貯蓄型」と「掛け捨て+投資」:そもそも何が違う?
ざっくり言うと、「貯蓄型」は保険料の一部が積み立てに回り、満期や解約時にお金が戻るタイプです。一方、「掛け捨て」は保障に特化し、貯蓄は別で行います。その代表的な組み合わせが「掛け捨て保険+積立投資(例:つみたて投資枠やiDeCo等)」です。
貯蓄型の特徴(メリット・注意点)
メリットは、強制的に積み立てができることと、投資ほど値動きに振り回されにくい設計が多いことです。「貯めるのが苦手」「口座にあると使ってしまう」という人には相性が良い面があります。
ただし注意点もあります。一般に、保険のコスト(保障の費用、運営費など)が差し引かれるため、同じ金額を投資に回した場合より増えにくいケースが出やすいこと。また、途中で解約すると戻りが少ない時期があり、ライフプラン変更に弱いことがあります。
掛け捨て+投資の特徴(メリット・注意点)
メリットは、保険は必要最小限の保障に絞り、貯蓄・資産形成は投資で効率よく進めやすい点です。家計の見通しが立てやすく、投資部分は目的別に分けて設計できます(教育費、老後、住宅など)。
一方、投資には価格の上下があるため、短期的に元本割れが起こり得ます。また、積立を自分で継続する必要があり、「続ける仕組み」を作らないと途中でやめてしまうリスクがあります。
20年後の資産額をシミュレーション比較(前提条件つき)
ここからは、よくある悩みを数字に落として比較します。なお、保険商品や投資商品は条件により大きく変わるため、今回は「考え方をつかむためのモデルケース」として見てください。
シミュレーションの前提条件
夫婦いずれかが、保障を目的に毎月一定額を20年間支払う想定です。
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毎月の支払い:30,000円
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期間:20年(240か月)
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比較A:貯蓄型(満期・解約時に戻る金額を想定)
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比較B:掛け捨て(毎月5,000円)+投資(毎月25,000円)
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投資の想定利回り:年3%・年5%(税引き前の単純化モデル)
貯蓄型は商品差が大きいのですが、ここではイメージをつかむために「20年後の受取(または解約返戻)=支払総額に対して100%〜110%程度」のレンジを代表値として置きます(低金利期の貯蓄型で起こりやすい水準)。
支払総額(共通)
30,000円×240か月=7,200,000円(720万円)です。つまり、どちらを選んでも「家計から出ていく総額」は同じ条件で比較します。
比較A:貯蓄型の20年後(モデル)
仮に20年後の戻りが支払総額の100%〜110%だった場合、資産額イメージは次の通りです。
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戻り100%:約720万円
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戻り105%:約756万円
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戻り110%:約792万円
「増え方は控えめだが、見通しが立ちやすい」というのが貯蓄型の分かりやすい特徴です。ただし途中解約だと、これより大きく下回ることがある点は必ず押さえたいところです。
比較B:掛け捨て+投資の20年後(投資部分を計算)
掛け捨て保険(5,000円×240か月=120万円)は「保障の費用」として支払い切りとし、資産として残るのは投資部分です。投資は毎月25,000円を20年積み立てたときの将来額を、年利ベースで概算します。
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年3%想定:投資の将来額 約820万円前後
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年5%想定:投資の将来額 約1,030万円前後
同じ総支払720万円でも、投資部分の伸びにより「資産として残る金額」が貯蓄型を上回りやすいのが分かります。特に20年という時間は、増え方の差が目に見えて出やすい期間です。
ただし結論は「いつ使うか」で変わる
ここが大切なポイントです。20年後に使う前提なら、投資のブレ(上下)を時間でならしやすく、掛け捨て+投資が有利になりやすい傾向があります。一方で、「5年後に住宅の頭金で使うかも」「10年後に働き方が変わるかも」など、途中で大きく取り崩す可能性があるなら、投資の値動きが心理的負担になりやすくなります。
数字だけで決めない:それぞれが向く人・向かない人
貯蓄型が向きやすい人
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貯金が苦手で、半強制的に貯める仕組みが必要
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「値動きがあると不安で続けられない」と感じる
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途中でやめない自信がある(20年近く継続できる見通しが強い)
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保障と貯蓄を一本化したい
掛け捨て+投資が向きやすい人
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家計管理がある程度でき、投資を「長期」で続けられる
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教育費・老後資金など目的ごとにお金を分けて管理したい
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ライフプランが変わりやすく、柔軟に見直したい
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同じ支払いなら、資産が増える可能性を取りにいきたい
夫婦の不安が強いときは「折衷案」もあり
どちらか一択にしなくても大丈夫です。たとえば、保障は掛け捨てで最低限を確保しつつ、投資は少額から開始して慣れていく。あるいは、貯蓄型を選ぶなら「途中でやめる可能性が低い目的(老後など)」に限定する。こうした設計は、将来の変化に対して強くなります。
やるべきこと・失敗しないためのチェックポイント
1. 保障は「必要額」を先に決める
保険選びで多い失敗は、「商品」から入ってしまうことです。まずは、万一のときに必要なお金をざっくり出しましょう。たとえば、遺族の生活費、家賃(または住宅ローン)、当面の教育費など。必要額が見えれば、掛け捨てでも貯蓄型でも過不足が減ります。
2. 「途中でやめる可能性」を正直に見積もる
転職、育休、引っ越し、親の介護など、20年の間には家計の波が必ず来ます。途中解約で不利になりやすい設計(貯蓄型に多い)を選ぶなら、家計が厳しくなったときの逃げ道(保険料の減額、払済、別資金での備え)もセットで考えてください。
3. 投資は「目的」と「使う時期」で置き場所を変える
近い将来使うお金は、値動きしにくい場所(預金など)へ。20年先の資産形成は、長期の積立投資に回す。これだけでも、投資に対する不安はかなり減ります。
4. 家計の土台:生活防衛費を先に確保する
投資を始める前に、生活費の数か月分(目安は3〜6か月、共働きか片働きかで調整)を預金で持っておくと、相場が下がっても「やめなくて済む」状態を作れます。結果的に、投資の成功確率が上がります。
よくあるQ&A(元本割れ・いくらから・やめたくなったら?)
Q1. 投資は元本割れが怖いです。絶対に損しませんか?
残念ながら「絶対」はありません。投資は短期では元本割れの可能性があります。ただ、時間を味方につける(長期で積み立てる)ことで、価格変動の影響を受けにくくする考え方があります。逆に、近い時期に使う予定のお金まで投資に回すと、元本割れが現実の困りごとになりやすいので、そこだけは分けて管理するのがおすすめです。
Q2. 貯蓄型なら元本割れしないの?
「満期まで持てば戻る設計」でも、途中解約だと元本割れするケースはあります。また、インフレ(物価上昇)を考えると、金額が減っていなくても「実質的には目減り」することもあります。貯蓄型を選ぶなら、解約返戻金の推移(いつ頃から元本超えするか)を必ず確認してください。
Q3. いくらから始めるべきですか?
最初は「家計が苦しくならない金額」からで十分です。目安としては、毎月の固定費(保険料・通信費・サブスク等)を見直して捻出できた範囲から始めると続けやすいです。掛け捨て+投資の場合、投資額は後から増やせます。大事なのは、早く・小さく始めて習慣化することです。
Q4. 途中で家計が厳しくなったらどうすれば?
掛け捨て+投資なら、投資額の減額や一時停止が比較的しやすいのが利点です。貯蓄型の場合は、減額、払済(保障を縮小して以後の支払いを止める)、契約者貸付など選択肢が商品ごとにありますが、条件によって不利になることもあります。加入前に「困ったときの変更ができるか」を確認しておくと安心です。
まとめ:今日できる「最初の一歩」
20年後の資産額で見ると、同じ支払総額でも「掛け捨て+投資」は増える余地が大きく、柔軟性も高いのが強みです。一方、「貯蓄型」は仕組みで貯められる安心感があり、投資の値動きがどうしても不安な人には選びやすい選択肢です。結局は、夫婦の性格と「途中でプラン変更が起きそうか」で最適解が変わります。
最初の一歩としておすすめなのは、次の順番です。
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夫婦で「万一のときに必要なお金」をざっくり話す(大きな保障が本当に要るか確認)
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生活防衛費(数か月分)を預金で確保する
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保障は掛け捨てで必要最小限に整え、投資は少額から積立を開始する(慣れてから増額)
ライフプランは変わります。だからこそ、「変わっても立て直せる設計」を選ぶことが、将来の安心につながります。迷っている今は、決断が遅れるほど不安が長引きやすいタイミングでもあります。まずは家計の固定費を見直し、毎月いくらなら無理なく積み立てられるか、夫婦で一度だけ数字にしてみてください。
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