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離婚したら保険はどう分ける?名義変更・解約返戻金の分割で揉めないコツ

2025年12月23日 / 川端順也

離婚を考え始めたとき、家や貯金は話題に上がりやすい一方で、「保険はどうしたらいいの?」が後回しになりがちです。けれど保険は、名義・お金・保障の3つが絡むため、話し合いが遅れるほど誤解や不信が生まれやすい分野でもあります。

この記事では、生命保険や医療保険などを離婚時にどう整理すればよいかを、できるだけ難しい言葉を使わずに解説します。名義変更や解約返戻金の分け方で揉めないコツ、そして離婚後に「保障が足りない」「保険料が重い」と後悔しないためのチェックポイントまで、順番に確認していきましょう。

離婚時に「保険」が揉めやすい理由

保険が揉めやすい一番の理由は、「誰のものか」が直感で判断しにくいからです。保険には主に、契約して保険料を払う人(契約者)、保障される人(被保険者)、お金を受け取る人(受取人)がいて、夫婦でもバラバラに設定できます。

さらに、貯蓄型の保険には解約返戻金(解約したときに戻るお金)があるため、「財産として分けるのか」「保障として残すのか」で意見が割れやすくなります。感情が揺れやすい時期だからこそ、事実を整理して淡々と決める進め方が大切です。

まず押さえる:保険は「分ける」のではなく「権利を整理」する

保険そのものを半分に切って分けることはできません。離婚時にやるべきことは、「その契約を誰が持ち続けるのか」「お金(解約返戻金など)をどう精算するのか」「受取人を誰にするのか」を整理することです。

ポイントは次の3つです。

  • 保険料を今後払う人=基本的に契約を持つ人(契約者)にするのが自然
  • お金が戻るタイプは、財産の一部として精算対象になることがある
  • 受取人が元配偶者のままだと、意図せず元配偶者に保険金が渡る可能性がある

「とりあえず放置」は、あとから取り返しがつかないトラブルにつながります。離婚届を出す前後で、必ず一度は保険証券(または契約内容画面)を見て、登場人物を確認しましょう。

ケース別:名義変更・解約・継続、どれが現実的?

ケース1:保障は必要なので、契約を引き継いで継続したい(名義変更)

子どもの養育や住宅ローンなど、万一の保障が必要な場合は「契約を残す」選択が有力です。このときは、契約者を変更できるか(名義変更)を保険会社に確認します。保険によっては条件付きだったり、変更できない場合もあります。

注意したいのは、「契約者=支払う人」に揃えないと、払っているのに権利がない状態になりやすいことです。離婚後に保険料の支払いが滞ったり、解約の判断をめぐって揉める原因になります。

ケース2:貯蓄型で、解約返戻金が大きい(解約して精算)

学資や終身保険など、解約返戻金がある契約は、解約して現金化し、分けるとスッキリすることがあります。特に「今後の保険料を誰が払うか決めにくい」「相手と関わりを残したくない」という場合は現実的です。

ただし、加入してすぐだと戻るお金が少ないことがあり、タイミングによってはもったいない結果にもなります。感情だけで急いで解約せず、返戻金の金額と今後の保障の必要性を見て判断しましょう。

ケース3:掛け捨てで返戻金がない(保障の付け替えが中心)

定期保険や多くの医療保険など、解約返戻金がほとんどない保険は、「分けるお金」よりも「保障をどうするか」が中心になります。離婚後は世帯が分かれるため、必要な保障額や入院時の備えも変わります。

この場合は、元の契約を解約するか、保障内容を見直して継続しつつ、受取人などを変更して整理する流れになります。

解約返戻金(お金が戻る保険)の分け方と注意点

解約返戻金がある保険は、「結婚してから積み立てた分は夫婦で作った財産」と考えられやすく、精算の対象になりやすいのが一般的です。とはいえ、個別事情で変わるため、最終判断は当事者の合意と、必要に応じて専門家への確認が安心です。

分け方の考え方(揉めにくい順)

  • 解約して、返戻金を合意した割合で分ける(シンプルで清算しやすい)
  • 契約をどちらかが引き継ぎ、その代わりに相手へ現金で精算する(保障を残しやすい)
  • 契約は継続しつつ、将来の受取人や負担を細かく取り決める(関係が続くため難易度は高め)

金額確認でやること

揉めないためには「その場の記憶」ではなく「数字」で話すことが重要です。保険会社に、現時点の解約返戻金の見込み額を確認し、できれば書面や画面の保存で共有できる形にします。

また、保険料を前払いしている期間があると、精算時にズレが出ることがあります。いつまでの保険料が払い込み済みかも併せて確認すると、話が早くなります。

子どもがいてもいなくても重要:保障の空白を作らない設計

離婚時は「分ける」ことに意識が向きますが、本当に困るのは離婚後です。たとえば、相手の扶養から外れて医療費の自己負担感が増えたり、家計が一人分になって貯金が増えにくくなったりします。

考え方のコツは、「いまの保険をどうするか」より先に、「これからの生活で何が起きたら困るか」を整理することです。

  • 自分が入院したら、家賃や生活費は回るか
  • 働けない期間が出たとき、誰が支えるか(自分の貯金か、保険か)
  • 死亡保障が必要なのは誰か(親に迷惑をかけたくない、子どものため等)

同じ保険でも、離婚後の家計に対して保険料が重く感じることがあります。その場合は、保障を薄くして保険料を下げる、必要な部分だけ残して整理する、といった現実的な調整が有効です。

やるべきこと・失敗しないチェックポイント

離婚時の保険整理は、次の順番で進めると揉めにくく、漏れも防げます。

1)契約一覧を作る

生命保険、医療保険、がん保険、学資、個人年金など、夫婦それぞれの契約を洗い出します。保険会社名、契約者、被保険者、受取人、月額保険料、解約返戻金の有無を並べるだけで十分です。

2)受取人を必ず見直す

死亡保険金の受取人が元配偶者のままだと、意図せず保険金が渡る可能性があります。離婚後の生活設計に合わせて、受取人を変更できるか確認し、必要なら早めに手続きしましょう。

3)「誰が払って、誰が持つか」を一致させる

支払う人と契約者がズレると、トラブルの火種になります。引き継ぐなら名義変更、解約するなら解約後の分配、という形で整理します。

4)解約返戻金は金額を見てから決める

元本割れの可能性や、タイミングによる差があります。焦って結論を出さず、見込み額を確認してから話し合うのが鉄則です。

5)合意内容は「メモ」でも形に残す

口約束は、時間が経つほど記憶がズレます。保険名と対応(名義変更、解約、受取人変更、精算金額など)を簡単に書き、双方が確認できる形にしておくと安心です。

よくあるQ&A

Q1. 解約すると元本割れしますか?

はい、特に加入して間もない貯蓄型は、解約返戻金が払込保険料を下回ることがあります。一方で、長く続けた契約は元本割れしにくい場合もあります。必ず保険会社に現在の返戻金見込みを確認してから判断しましょう。

Q2. いくらから保険に入り直す(見直す)べきですか?

金額の正解は一つではありませんが、目安として「家計を圧迫しない固定費」に収めることが大切です。まずは、入院時の自己負担や、働けなくなったときの生活費など「困る場面」を決め、そこに必要な分だけ備えるとムダが出にくくなります。

Q3. 相手名義の保険なのに、私が保険料を払っていました。返してもらえますか?

状況によります。支払いの経緯、家計管理、合意の有無で考え方が変わるため、まずは事実(いつから誰の口座で払ったか)を整理し、話し合いの材料にしましょう。感情論になりやすい部分なので、記録が役に立ちます。

Q4. 受取人を子どもにしたいのですが、未成年でも大丈夫?

設定自体は可能なケースが多い一方、受け取り時の手続きが複雑になったり、管理の問題が出ることがあります。保険会社に手続き方法を確認し、必要なら信頼できる家族を受取人にするなど、現実的な運用も含めて検討しましょう。

Q5. 離婚後、相手の保険に自分が入ったままでもいい?

医療保険などで「被保険者が自分、契約者が相手」という形は理屈の上では成り立ちますが、保険料の支払い停止や解約の判断が相手側にあるため、生活の安心という点では不安が残ります。できるだけ自分の保障は自分の名義に寄せるのがおすすめです。

まとめ:今日できる最初の一歩

離婚時の保険は、「名義」「お金(解約返戻金)」「受取人」の3点を整理すれば、必要以上に揉めずに進めやすくなります。分け方の正解よりも、離婚後の生活に合う形になっているかが最重要です。

最初の一歩としては、今日中に手元の保険を一覧にし、契約者・被保険者・受取人を確認してください。そのうえで、解約返戻金がある契約は金額を取り寄せ、数字を見ながら話し合う。ここまでできれば、保険の不安はぐっと小さくなります。

Written by

川端順也

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川端 順也
About 代表:川端 順也
Name 川端 順也
Role MDRT 7年連続入賞

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